読んでいた本は、こちら。
「生きることの意味 ある少年のおいたち」 高史明 著
(ちくま書房)
引き込まれます。作家のやさしさに。
ここに貫かれているものは、「人のやさしさ」。
人のやさしさこそは、人間を生かして行く本当の力になる。
それは人との出会いによる。
出会いのすべてが、人生の糧になるのかもしれません。
著者の、最後の一節です。
「出会いのすべてから、人のやさしさを発見するとは限りません。
出会いが、本当に人の出会いといえるにふさわしい出会いとなるには、
人はなによりもまず、自分の人生をせいいっぱいに生きて、
他人を、他の民族の人びとを、自分や自分の民族と同じように大切にすることが必要です。
人は、そうしてこそ、その出会いから人のやさしさを発見し、
さらには自分の人生とともに他人の人生をも、楽しいものにできるのです。
そのためには、人は、いつも、自分をみつめるように他人をみつめ、他人をみつめるように自分をみつめながら、
その心を豊かにして、その目をすんだものにしておくことが大切です。
いまのわたしは、まだとてもそのような心境になりえているとは言い切れないのですが、
でも、いまなら、生きることを喜びとして、大声で叫ぶことができると思うのです。
生きるって、なんてすばらしいことなんだ!」
苦難の人生を歩んだ彼の本の底には。なぜでしょう。「笑う力」があるんです。
この本を初めて読んだのは、私が10代の時でしたが。
その不思議が、40代になった今。少しわかる気がします🍀。